今日の確認したいウォール・ストリート・ジャーナル記事( 2019/4/7)
The Battle for the Last Unconquered Screen—The One in Your Car Auto makers and Silicon Valley are locked in a fight to control the dashboard display(自動車内のディスプレイはテレビ、PC、携帯に次ぐ最後のディスプレイ市場)
(要約すると)
・自動車産業とアルファベットなどシリコンバレーの企業は自動車のディスプレイ市場の覇権を争っている。
・フォードやダイムラー、BMWやフォルクスワーゲンは自社開発に取り組んでいるが、一方、ボルボなど、会社によってはアルファベットと提携し、Androidと同様のインターフェースを提供する会社もある。
―ボルボについては、来年高性能モデルのポールスターで、グーグルのディスプレイや音声認識システムを組み込んだ新型車をローンチ予定。ソフトウェアもボルボではなくグーグルが更新する。
・コンサルティング会社のマッキンゼーは、2030年までに自動車の情報を基にしたデータサービス産業は7,500億$に達すると見込んでいる。
・自動車のディスプレイについては、車のモデルに併せて設計され、ソフトの更新の頻度が少なくなるデメリットがある。また、スマホと比べると、高速道路の通行時(風の音)や同行者(子供なら尚更)の物音といった、様々な環境下における音声認識など条件が悪く、これらの課題に対処する必要がある。
・グーグルの自動車用ソフトウェアの世界市場におけるシェアは足元で19%を占めているほか、2024年までに1/3を占めると見られている。
(私見)
・自動車産業は製造業の要となる産業であり、多くの部品産業を裾野として、大手メーカーがピラミッドの頂点に立つ業界だった。一方、エンジンがガソリンから電気や燃料電池に移行しつつあり、ガソリンエンジンによる内燃機関を支えてきた多くの部品産業が不要となるほか、運転制御や当記事のディスプレイについても、ハイテクテクノロジーで一日の長があるテクノロジー企業に侵食されている。
・このように、自動車を構成する技術は大手メーカーに寡占されるのではなく、ディスプレイといったユーザーインターフェースの部分は、スマホでユーザーが慣れ親しんでいるグーグルやアップルが担うなど、機能に応じて分解される流れにあると言える。
・今後の自動車産業をリードするのは、必要な技術は業態をまたいで調達し、ユーザーが必要とする製品を提供できる企業と考えられる。
Corporate Profit Squeeze Looms, Threatening Stocks’ Climb(株式市場の上昇を業績予測の下方修正が妨げる恐れ)
(要約すると)
・米国株式市場は、S &P500が今年に入り15%上昇し、1998年以来の年初来の伸びとなっている。
―主な要因は、Fedの金融政策がハト派に転換したことによるものである。
・一方、多くの企業が第一四半期の決算発表で業績予測を下方修正すると見られる。
―要因は、ドル高や賃金の上昇といったコスト高によるもの
―第一四半期は前年同期比マイナス成長が見込まれ、第二四半期は現状フラットであるが、仮にマイナス成長に転じれば、二四半期連続マイナス成長となり、企業業績の観点からは景気後退入りしたと見なせる。
・第一四半期がマイナス成長であることは市場に織り込まれているものの、その先の業績の下方修正についてはマーケットはネガティブに反応する恐れがある。