今日の確認したいウォール・ストリート・ジャーナル記事
Inverted Yield Curve Is Telling Investors What They Already Know
(イールドカーブの逆転は景気減速を示唆しているが、景気後退については確かな情報を教えてくれない)
(要約すると)
・米国の10年金利と3か月物が逆転したことで、マーケットは景気後退の確かな指標としてリスク回避姿勢が強まっている
・FFレートの先物は、12月までに60%の確率で1回の利下げを織り込んでいるほか、2回以上は20%の確率となっている
・しかしながら、以下の4つの理由から、投資家は今回のシグナルを捉えて、必ずしもポジション調整をするべきではない
- Fedは過去2回、3か月と10年物の金利が逆転した局面(1965−1966、1998)において、利下げを行い景気後退入りすることなく景気拡大を維持した
- Fedによる金融緩和が始まる前は、米国金利にはタームプレミアムが存在していた。つまり、投資家は自身の資金を長期国債に投資し、長期間固定されることに対する対価として、長期国債には短期国債と比べて金利が上乗せされていた。これが金融緩和に伴う国債買入により、足元では存在していないので、タームプレミアム分、長期金利と短期金利のギャップは小さくなっており、逆転しやすくなっている
- イールドカーブの逆転自体は、景気後退がどれだけの時間軸で到来するかは何も示唆していない
- デューク大学のキャンベル教授によると、イールドカーブの逆転が景気後退のシグナルとして機能するためには、少なくとも四半期は持続しなくてはならない
(私見)
・25日のアジア株式市場も大幅安になるなど、マーケットのセンチメントは悲観に傾いている
・一方、①欧米な軟調な経済指標、②イールドカーブの逆転というネガティブなイベントが重なったことが要因としては大きく、景気は腰折れしていないと見られる
・「人の行く裏に道あり花の山」である